岩内は、日本海の海産物と水に恵まれた岩内平野の農産物が集まる食材の宝庫。港町には数十件の店が軒を連ねています。寿司屋をはじめ、この地を愛してやまない人たちが営む店、漁師町ならではのスナック、人情酒場まで、味わい深い美味なる町です。
イカ漁の季節、早朝日の明け切らぬ岩内の空に、耳をすませば微かにドドドという音が響いてきます。帰港する漁船群のエンジン音で、港市場には漁師達の忙しく働き回る姿。そしてきらめく海の幸が次々と揚げられます。ウニやアワビ、ブリ、ヒラメ…。季節ごとの新鮮な海産物が楽しめる港町です。またニセコ山系に良い水源を持つ隣の共和町は、農産物の宝庫です。メロンやスイカで有名ですが、特に春のアスパラガスは絶品。岩内地方は国産アスパラガスの発祥の地でもあります。ぜひ、北海道の海と山の幸を堪能してください。
職人の心は一つ。お客様の「美味しい」笑顔のために、旬を仕立てて提供すること。素材に恵まれた町には、寿司屋など海鮮のお店をはじめ、さまざまな飲食店が暖簾を出しています。中にはミシュラン掲載店もあり、味に定評があるのはもちろんですが、そのサービス精神は岩内流。昭和の雰囲気が残る繁華街を歩けば、昔ながらの雑居ビルの一角にも隠れた名店が。お店のしつらえや器にもちょっとこだわりを持ち、この町とこの地域の食文化を愛する料理人の、心づくしのお料理との出会いを堪能してください。
ふんわり黄色い半熟卵に包まれた、鈴やの大きなオムライスや、湯気の上がった「さぼーる」の熱々ナポリタン。ただただ懐かしいメニューが揃う名店が、この古き良き町には確かに息づいています。年季の入ったフライパンでしか出せない味わいを守り続けているお店は、食後の珈琲の香り高さもまた格別。壁にかけられている一つ一つの絵や額にも、懐かしい時代を感じられます。急かされ過ごした日々に一旦ピリオドを打ち、休息の時を過ごす。優しい席がここにあります。
カジュアルな雰囲気漂う駅前のカフェ、イサリビ。美しい漆喰塗りの白壁は、実は町中の有志たちがワイワイ集まりみんなで塗って、みんなで手作りしたお店です。バックパッカーで世界一周旅行の末に岩内が大好きになり、移住を決心したオーナー目黒沙弥さんの周りには、そんな暖かい町民と旅人が自然と集まります。常連客は学生から乳幼児連れのママさん、外国人までと幅広く、初めてなのにいつしかその一員になってしまえる気さくなお店です。また会いたくなる人との出会いもぜひ楽しんでください。