岩内岳と日本海は、町のどこからでもすぐに行ける近さです。山海に囲まれた小さな町は、神々の造作である自然の姿と人々の営みが作り出した景色が交わり、類い稀なる絶景に溢れています。
夕凪の岩内港や浜辺では「マジックアワー」と呼ばれる、特別な夕景を見ることができる時間があります。水平線に太陽が沈む日没時の美しさに加え、水鏡に映る天地対称の世界が刻々と彩りを変え、この上もなく感動的な景色が広がります。また、いわない温泉のある山側からは、北海道の四大夜景の一つであり、「日本夜景遺産(※注1)」にも登録された素晴らしい夜景が眼下に広がります。町の光は湾に沿って隣町の泊、神恵内へと繋がり、漁期には漁船の漁り火が夜景を一層美しくきらめかせます。
世界中のスキーヤーを魅了する、パウダースノーに恵まれたニセコ。ニセコ山系の一番西の端にある「IWANAI RESORT(イワナイリゾート)」は、青い海と積丹半島を一望できる唯一のオーシャンフロントのパウダースノーパーク。チェアリフトで登る三つのゲレンデコースのほか、CAT(雪上車)で岩内岳の山頂付近まで登り、まだ誰も踏んでいない新雪の上を存分に楽しむツアーメニューもあり、人気を集めています。このCATを利用したナイトツアーでは、真冬の夜の岩内岳頂へ。氷点下の澄み切った夜空に見上げる満天の星は、感動の美しさです。
「ふりむき坂」「松風の回廊」など、遠い昔に誰かが名付けた案内板が所々に残されている、岩内岳の登山道。起伏の変化に富んだ山は、ニセコ山系から縦走する最西端の、隠れた名山として登山者に長く愛されています。登山口から約2時間半強で辿り着く山頂からは、青く光る日本海と積丹半島、さらにはニセコ連山から秀峰羊蹄山までの一大パノラマを眺望。山頂付近には太古から変わらぬ美しい高山植物のお花畑や、湖沼の風景が静かに広がっており、下界を離れた幻想的な自然の世界をぜひ体験してみてください。
義経弁慶伝説の伝わる雷電岬までは、町の中心部から車で約20分ほど。岩内の市街地を離れるほどに、岩浜と白波が間近に迫ります。海に向かって雄々しく切り立つ弁慶の刀掛岩に、怒涛の荒波が打ち寄せる様は壮大で、時に厳しく人に襲い掛かる、大自然の威力を感じます。この凄まじい光景をモチーフとして、小説家の水上勉は『飢餓海峡』という大作を生み出しました。町から少し足を伸ばしての小ドライブや、サイクリングでもたどり着くことのできる、岩内の端っこの絶景も見逃せません。